ちょっともう遅いネタ
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去年の暮。
ステラマッカートニーがH&Mブランドの洋服をデザインし、
発売初日で完売を遂げた事は記憶に新しい。
NY中のH&Mでステラの洋服を買う為に混雑が出来、
服を引きちぎって取り合う女性客を目にした。
まるでそれはアメリカ版『日本の正月の初売り』のようだった。
私も何軒もマンハッタン中にあるH&Mに行って
欲しい形のH&M by stellaの洋服を探しまくり、
清水の舞台から飛び降りる程の量を馬鹿みたいに買いあさったのだった。
思えば、ちょいと恥ずかしい体験。

最近安いスーパーで有名だったTARGETが、ブランドイメージを随分と変えて来ている。
プリントもテレビCMもウェブサイトも一気に従来のTARGETの田舎臭いイメージを払拭し、
なかなかいけてるグラフィカルで面白い広告展開をしている。

そのターゲットでもH&Mのように、有名デザイナーを起用して
ターゲットブランドから洋服を立ち上げることに成功している。
去年からIsaac Mizrahiiがデザインを始め、
なかなかに評判がようで、
今や靴だの鞄だのアイテムも今やもうフル展開、
毎期新しいコレクションを発表している。
私はどうしてもIsaacというと、舞台でキラキラひかるカエルのような生き物の
ショーデザインを思い出してしまうため、正直少々躊躇ありだが、
展開しているアイテムは割と使いやすいデザインのものが多いと思う。

しかし、今季、ターゲットはアイザックの次に、更なるデザイナーを仕掛けて来た。
ロンドンのデザイナー、ルエラがTARGETブランドの為にデザインする契約をし、
ウェブサイトで今まさにルエラワールドを展開している。

正直、値段が安いため、マテリアルのチープ感は否めない。
しかし、それなりにうまく使えるアイテムが一杯。
リンゴのパターンなどポップでサイケなイメージもありで、可愛い小物類を発見した。
ターゲット層は、10歳後半から20代位までかな、ちょっと若い感じ。
でも普段コンサバで決めている服に、アクセントで持ってくるコーディネートもありかも知れない。

このターゲットの戦略の良い所は、従来の値段を保持しているから、
ちょっとエッジの効いたデザインも、この値段なら良いかしら、と
コンスーマーに思わせる所だと思う。
そこに、デザイナーのエッセンスをちょっぴり入れて、
ハイエンド感とハイファッション的な気持ちも味わえると来たもんだ。

私はファッションは大好きで、
ファッションの世界で生きたいと考えた人間でもあるが、
やっぱりファッションとはこうあるべきだと思っている。
今の雑誌に乗りまくっている、
億万長者以外には誰にも買えない高いだけのゴージャス満点服は
何にも魅力的でない。
そういう服が作り出す、『買える金持ちだけがオシャレで、
それ以外の人はオシャレでない』という方程式が気に食わん。

オシャレ服とは、
時代に象徴される物であり、
文化を象徴できる物であり、
自分のパーソナリティを象徴出来る物であるべき。
それで尚かつ、遊びがあれば最高だと思う。
毎日ドレスを着て遊び歩いている人は、
パリスヒルトンくらいしかおらんのではないか。
ドレスチックな高額な洋服ではなく、
現代の人間の生活を表現出来るもの、
それが最新の流行であるべきではないのか、と疑問。
リアルクローズでなければ意味がないと考えるのは私だけか。
luella at TARGET

by haratama_ny | 2006-03-23 07:43 | FASHION
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